サウンドガーデンのクリス・コーネル氏が亡くなったそうである。亡くなって初めて分かったのだが、なんと僕と同い年。正直僕はサウンドガーデンにはあまり思い入れは無かったのだが、彼らの「BLACK HOLE SUN」と言う曲だけは妙なブラック・サバス感もあって凄く好きであった。
思えば当時グランジ・ブーム。ニルヴァーナがデビューした時に、某関西系メタル速弾きギタリストのNくんが「遂に竜ちゃんの時代がやって来た」と思わず僕に言ったぐらい、まさに「遂に僕が大好きな感じの音楽がメイストリームになった」と身震いする瞬間であった。事実パールジャムとかスマッシング・パンプキンスとか、それはそれは好きであったし、同時期にデビューしたレニー・クラヴィッツも含めて「遂に僕の時代がやって来た」と本気で思っていたのだが…。
残念ながら日本ではあまりグランジ・ブームとかローファイ・ブームと言うのはそんなに盛り上がりを見せず(まあYEN TOWN BANDとか、小林武史さんの作風はややそんな感じであったが)、僕も残念に思ったのだが、グランジ・バンド達の歌詞の内容がややネガティヴな物が多かったのは僕も当時から気にはなっていた。
今日は学校の行き帰りの電車の中、昨日の陣内さんのリハ音源を、そのポジティヴで前向きで力強いリリックを感じながら聴いていたのだが、これがもし「ユージン、斧に気をつけろ、ユージン、斧に気をつけろ、ユージン、斧に気をつけろ、ウワ〜」みたいな歌詞の物(CW/RODGER WATERS)を一生懸命自主トレ〜リハして、更には世界中を回りながら1年位延々と続くツアーをする、なんて事になったら、一体どんな気分なるのだろう。
聞く所によるとクリス氏は自殺であったらしい。BLACK HOLE SUNはLED ZEPPELINとかIRON BUTTERFLYみたいに相反する物が同居するオクシモロン。全てを飲み込むブラックホールと、全てを吐き出す太陽が同居していたりして、楽曲的にもメジャーとマイナーの狭間を行ったり来たりして。そんな曲を毎晩毎晩繰り返しやるツアーって一体どんな気持ちになるのだろう、と思うとなんだか少しだけ自殺する気持ちも分かるような気がして来た。ちなみにこの歌詞をざっくり「吐き出して吸い込んで、結局人生ってプラマイゼロ」だと拡大解釈すると、実に深い歌詞だな〜なんて改めて思ったりもする。う〜ん、意外にそう考えると「そうさ〜、思い切り、深呼吸〜」(CW/陣内大蔵)と結局言っている内容は一緒だったりして(笑)。ご冥福をお祈りしたいんである。