お湯が沸いてしまった

 一本仕事を終えてから電車でユカイさんのリハへと向かった僕、機材はローディ君にお願いして運転して持って来てもらっている。さてユカイさん現場ではいつものヘッドではなくて新しく買った年式の古いほうのヘッド(メインに比べて歪みも少なく低音が出る)を使っているのだが、こちらのヘッドは特撮のレコーディングでは主に5弦ベース用に使っていてしかもそれをBキャビにつないでいた。それを思い出した僕はもしかしてユカイさん現場ではこちらのキャビのほうが合うのではないかと事務所の倉庫からこれを引き取って来て使ってみる事にしたのだ。

 ところが何だかそのヘッドでBキャビだと低音重視設定過ぎる。奇しくも今日は森君も大口径のバスドラを試しに持って来ていたので2人で低音の洪水を作ってしまったし、なんだか出来損ないのアンペッグSVTのようでイマイチなんである。なので僕はヘッドをいつものヘッドにチェンジ。するとだいぶ良くなったもののやはりBキャビが妙に低音重視でしかもさすが80年代のキャビというわけで立ち上がりが良いのも気に入らない。そしてそうこうしているうちに僕のマーシャルからガリガリ、ピキピキというノイズが出始めた。これは恐らく真空管のマイクロフォニック現象、要するにもう真空管が寿命ですよというわけなのだがシューマッハーズのライヴの時にこれが出なくて本当に良かったと思うんである。それでもだましだまし使っているとなんと! 良い感じのバラード調の曲で丁度エンディング、ユカイさんが格好良く歌い上げた瞬間にアンプからピ〜、ピ〜というノイズ。しかもそれが激しくなって遂にはピュ〜! というどう聞いてもやかんでお湯が沸いた時の音が出てしまった!

 さすがにこれはみんな流せなかったみたいで「竜ちゃんお湯湧かしちゃまずいよ〜」と笑いながら(みんな優しいなあ)お叱りのお言葉を頂き(スイマセン! )、その後僕は新しいほうのヘッド(最近いつもユカイさんの現場で使っているヘッド)とBキャビの出来損ないのSVTサウンドで森君の大口径バスドラと共に低音の洪水を作り続けていた次第である。しかしまあ、一体何回その教訓を得れば気が済むのかはわからないが、やはりヴィンテージ機材を使うならちゃんとメンテナンスしないといけない、そういえば最近真空管替えていなかった、近々メインのヘッド用に真空管を買って来なくてはなあ、それにしてもお湯が沸くとはなあ。などと考えているとピュ〜ッ!という音が! どうやらお湯が本当に沸いたらしい…。ここは焼酎のお湯割りでも飲んで反省せねば…。

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by ricken4001s | 2007-01-14 23:53 | 音楽 | Comments(0)

現 デュオたかはし(髙橋竜、タカハシヒョウリ)、竜理長(髙橋竜、三柴理、長谷川浩二)、NUOVO IMMIGRATO。大槻ケンヂ・ミステリ文庫(オケミス)。陣内大蔵サポート。CMナレーション、「渡り廊下走り隊」などへの楽曲提供など幅広く活動するベーシスト/ミュージシャン髙橋竜奮闘記。ex-SUZY CREAM CHEESE、ex-特撮、ダイアモンド☆ユカイ等サポート。

by ricken4001s